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のんびりYOGA と Natural life in Hamburg

日独でYoginiナース、助産師&保健師。ハンブルグにてヨガクラス運営中。月1の日本人ママのための赤ちゃんサークル運営中。ベジタリアンでナチュラルな生活と医療情報をお届け中です。

のんびりヨガ×ハンブルグ

書評、「水やりはいつも深夜だけど」窪美澄

久々の母国語の小説に癒されました♡

カフェとお気に入りの本と過ごす時間は

特別なものです。

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今日読んだのは、
一見しあわせそうに見える家庭のなかにある
さびしさやせつなさ、行き違いと
そこからの再生・希望が描かれた作品。
 
日本人らしい人間関係に悩む姿や、
東京の街の描写にも
普段は出さないい自分の一部
再確認するような気分
になるのでした。

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窪美澄「水やりはいつも深夜だけど」


家庭生活とは植物にスポットを当てと短編集。
 

思い通りにならない毎日。

言葉にできない本音

それぞれの家庭の、もがきながらも前を向いて生きる姿を
描いた魂を揺さぶる5つの物語

1話目は

ちらめくポーチュラカ

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その場から逃げても良いんだよ。
逃げることは悪いことじゃない

セレブママとしてブログを更新しながら、周囲の評価に怯える主婦。


2話目

サボテンの咆哮

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咆哮とは、猛獣などが吠えたけること。

「これがほんとうに、
おれがのぞんだ家族のカタチなんだろうか」

仕事が忙しく子育てに参加できず、 
妻や義理の両親からうとまれる夫。

3話目

ゲンノショウ

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「自分のことを何も知らない人のなかで生活を始めたかった」

自分の娘の知的障害を疑い、自己嫌悪に陥る主婦。

4話目

砂のないテラリウム

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「僕はちょっとだけ寂しいんだ。誰かにほんの少しだけ、興味を持ってほしいんだ」

出産を得て変貌した妻に違和感を覚え、若い女に傾いてしまう男。

5話目

かそけきサンカヨウ

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「こうした日々がずっと続いていくのかと思っていた、これからもずっと」

父の再婚により突然やってきた義母に戸惑う、高校一年生。

書評


雲の隙間から差し込む一筋の光のような、ささやかな希望を提示してくれる小説に、心が震えました。

みな、日常生活の中で、行き詰まっている感覚を抱えています。

その多くは満たされない自己認証欲求や、
家庭や他人から疎まれていないかという不安に発するもので、
あまりにも「じぶんごと」すぎて相談するのも恥ずかしいものです。

だからこそ、鬱憤を1人で抱えてしまいがち。

この小説には、そんな気持ちを解放してくれる瞬間が描かれていました。

会話や家庭の雰囲気、空気が、絵のように描写されているのはさすが。

さらに、
この短編には、必ず植物が絡んでおり、
人々の花や緑に対する扱いが、
心情や主人公たちの不器用さを表しています。

子育てや家庭、自分自身の心の渇きへも、水やりが必要。


ついつい忙しく、水やりはいつも深夜に行なっているからなのか、

心にすーっと潤いが広がり、心地よい読書タイムとなりました。

昨夜は雪が降り、川も凍る 
ドイツ、ハンブルグ。
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まだまだ読書タイムは 
充実しそうな予感です。